平成18年5月
ガーデンを考える会事務局

平成18年度 NPO法人ガーデンを考える会
伝統園芸ルネサンスのプレゼン&総会セミナー&懇親会
日時

2006年6月13日(火)14:30〜17:00
プレゼン  14:30〜15:00
セミナー  15:00〜17:00
懇親会   17:10〜19:00

場所
虎ノ門パストラル 新館5階 マグノリア会議室
東京都港区虎ノ門4-1-1
電話 03-3432-7261(代)
プレゼン&セミナー
内容
プレゼン:辻本智子氏
『伝統園芸ルネサンスー伝統園芸でよみがえる花と緑の日本ー』
セミナー:西岸芳雄氏
『消費者に推薦できる優れた新品種を選ぶ
〜ジャパンフラワーセレクション(JFS)がスタート』
セミナー:涌井史朗氏
『囲われたエデンとしてのガーデンからオープンガーデンを目指す時代に』
会費
会員(1名) 無料
2名以上および非会員 (1名)につき 5,000円 ※懇親会費含む
申し込み

ガーデンを考える会事務局までFAX、E-mailまたはTELにてお申込みください。


【テーマ】『伝統園芸ルネサンスー伝統園芸でよみがえる花と緑の日本ー』
辻本 智子 氏

【プロフィール】
環境プランナー&デザイナー
1985年大阪府立大学農学研究科博士課程後期中退後、(株)AAP入社。都市プランニングを中心としたプロジェクトを手がける。1988年には展示企画、植裁デザインを手がけた松下電器労組ユニトピアささやま「花の植物館」館長に就任。「自然と人間の共生」をテーマにプランニングからプロデュースまで行う。   1995年、(株)辻本智子環境デザイン研究所設立。以後、兵庫県立淡路夢舞台温室「奇跡の星の植物館」設計、イベント企画等総合プロデュース、浜名湖花博「国際交流館主催者展示」設計・プロデュース、愛知県春日井市都市緑化植物園「緑と花の休憩所」住民主体の植物園ボランティア指導、神戸空港植栽設計等を手がける。



【概要】
「もし花を愛する国民性が人間文化生活の高さを証明するとすれば、日本の低い層の人々はイギリスの同じ階級に人たちに比べてとずっと優れて見える。」と語らせた江戸時代の園芸ブームは江戸時代の庶民の花文化のレベルの高さを物語っています。
江戸のガーデニングは現代のガーデニングのようにイギリス等海外の影響を受けるものではなく、暮らしの中で育てられ、各地で独自の文化を創り上げたものでした。
ジャパンガーデンフェアでは、伝統園芸の紹介で単に日本の伝統的文化に触れるということではなく、伝統園芸の継承が花と緑の日本をよみがえらせ、園芸界に新たな展開をもたらすものと考え、10周年記念のテーマとする。

Tいまなぜ、伝統園芸か

1、現況
1)日本が抱える課題

・経済の低迷が長期化し、経済力だけでなく、自らの文化やアイデンティティに自信をなくしつつある状況にある。
・ 戦後の経済性重視の社会は、都市空間、住空間、ライフスタイルを変化し、伝統文化の継承まで不可能にしつつある。
・「もったいない」という言葉の流行にもかかわらず、地域性や伝統性が見えなく、個性を失いつつある日本のまちに対し、海外の国々の関心は薄れつつある。

2)園芸界が抱える課題
・ 消費者ニーズによる多品種少量化、ホームセンターの参入による多売薄利に疲れ生産者は意欲をなくしている。
・ 生産者の高齢化、後継者不足により、園芸特殊技術の継承が不可能になってきている。
・ 園芸は国際競争の時代となってきている。生産は東南アジア、南米。一方、オランダは球根と植栽技術を売り、イギリスはデザインとガーデングッツを売る。
一方、世界があこがれる伝統園芸文化を持つ日本は伝統文化、技術の経済効果を上げることができていない。

3)伝統園芸が抱える課題
・ 一般の人は本当の意味の伝統園芸に触れる機会が少ない。
・ 植物材料だけでなく、器等金銭的コストと時間的コストがかかる。
・ 伝統園芸はあまりにも騰貴のイメージが強くまた、男性、特に老人のイメージが強く、女性好みではなかった。
・ 生活空間の変化により、飾れる空間や管理できる場所が減っている。
 
2、新たな潮流の到来
1)花だけでなく、花のあるライフスタイルを楽しむガーデニングブーム
ガーデニングに夢中な女性たちは、花を育てることだけでなく、花と緑のある暮し、
花を媒介としての交流を楽しんでいる。

2)癒しの時代の到来
 ストレスの多い情報化時代、人々はゆっくり時間を過ごせる癒しの空間と時間を求めている。

3)コケ玉、小品盆栽ブーム
手軽にスペースもとらずに、草木が楽しめるコケ球の出現により、小品盆栽等に癒しを求める若者が興味を持ち始めてきた。

3、伝統園芸再生の意味
(1)日本の伝統文化としての継承する義務がある。
伝統園芸はお殿様から庶民までが育てた日本の誇れるべき伝統文化である。この伝統文化を継承することは日本人としての義務である。

(2)伝統園芸の継承は地域文化を知ること。
伝統園芸は各地で個性的な展開を見せた。伝統園芸を継承するということは、地域文化をしることになる。

(3) 園芸の新たな展開
 伝統園芸は植物だけでなく、空間、しつらい、器等他分野のコラボレーションが必要である。このことは旨くいくと波及効果の展開も大きくなる。

(4)ジャパンブランドづくりとして
海外の人々があこがれる伝統園芸は、デザイン性、文化という点だけでなく、上記のように棚、鉢等、日本の伝統工芸とセットとなっており、ジャパンブランドとしての国際競争力がある。

【テーマ】『消費者に推薦できる優れた新品種を選ぶ
                      〜ジャパンフラワーセレクション(JFS)がスタート』

西岸 芳雄 氏

【プロフィール】
 1947年8月17日生まれ
現職:(社)日本花普及センター専務理事、ジャパンフラワーセレクション実行協議会常務理事兼事務局長他
1970年東京教育大学農学部卒、1971年農林省入省、1994年農水省果樹花き課花き対策室長、2001年(財)日本花普及センター専務理事、2005年10月ジャパンフラワーセレクション実行協議会常務理事兼事務局長


【概 要】
1 JFSの創設とその背景・目的
我が国の花き産業の特色は、四季豊かな自然に育まれた日本人の繊細な美意識と伝統的な園芸文化をもとに、多様な園芸品種の開発並びに優れた栽培技術を有する育種社と生産者にも恵まれ、これらの素晴らしい開発力・技術力により、世界中でも最も多様な花きの種類と品種が生産・流通・販売されているところである。現在、日本花き取引コードに登録された品種は、6万品種以上になるとともに、毎年4千種にものぼる新規登録がなされている。
  今後とも、我が国の花き産業の多彩な振興を図るためには、このような新品種の開発・導入を積極的に推進するとともに、一般消費者や生産者等へその成果を広く普及することが重要であり、平成17年10月21日に花き産業関係者の幅広い協力を得て、ジャパンフラワーセレクション実行協議会が発足した。
ジャパンフラワーセレクション(JFS)は、国内外の新品種の中から、消費者に推奨できる優れた品種を選んで「生活者の花や緑のあるライフスタイルを質的に向上させること」「新品種の開発・導入の水準を向上させること」「花き産業の発展を図ること」を目的に、花き産業関係者の幅広い参加・協力、農林水産省及び国土交通省の後援をいただき、平成18年4月から順次、切花・鉢物等部門及び花壇苗等部門ごとに、展示・審査会を開催している。

2 JFSの審査方法
ジャパンフラワーセレクションは、国内の花き業界を代表する学識者、市場関係者、フラワーデザイナーなどが、公正な視点で専門的に選ぶ、新品種のコンテストです。従来の多くの花きコンテストが注目してきた花や葉の美しさなど品種特性の優秀性に加えて、生活者の視点から「育てやすさ」「購入しやすさ」「飾りやすさ」なども評価して、花き業界が推薦できる新品種を選ぶのが特徴です。

審査は、2つの部門「切花・鉢物等部門」「花壇苗等部門」から、季節ごとの審査会で審査員団が入賞品種を選ぶとともに、年間を通じてすべての「入賞」品種の中から、中央審査委員会が「優秀賞」「最優秀賞」「特別賞」を決定します。
同時に、各審査会では、花の消費・愛好家や販売関係者などによるモニター評価も行い、公表します。出品者(生産者・種苗メーカー等)にとっては、新品種の開発・導入におけるマーケティング情報を得る機会となります。

受賞品種は、「ジャパンフラワーセレクションの認定マーク=JFSマーク」を表示して販売することができます。我が国で商業的に生産・流通・販売されている花きは、2万以上の品種が存在し、年間4千程度の新品種が導入されており、豊富なバラエティーを提供する一方、品種の移り変わりが激しく、消費者にとってはいい花の選択が難しい面もありました。

2006年春からは、順次、花店、ガーデンセンター等にJFSマークを付けた商品が並ぶこととなり、消費者にとって“いい花の新基準”を提示し、花を購入する際の判断基準、安心材料を提供することになります。
具体的には、JFS事務局は、受賞品種の特性、消費者への推奨ポイント及びカラー写真等とりまとめたデータを財団法人日本花普及センターのホームページに掲載いたしますので、花店、ガーデンセンター等では、これをダンロードして、消費者へのPR資料やPOP等として利用できます。また、鉢物、花壇苗等の場合は、生産者が商材にラベルを添付することにより、消費者にアピールすることが可能性となります。

3 JFS春花壇とスプリングショーの審査結果
4月10日に静岡県の浜名湖ガーデンパークで実施された花壇苗等部門の審査会には、昨年12月に植栽されたパンジー・ビオラを主体に32品種が出品され、14品種が入賞した。4月10日に東京都立川市の国営昭和記念公園の花みどり文化センターで実施さ れた切花・鉢物等部門の審査会には、切花87品種と鉢物29品種が出品され、切花22品種と鉢物15品種が入賞した。今後、これらの品種の認定登録がされ、JFS認定マークをつけた花き商品が生花店やガーデンセーター等で販売されます。
モニター評価調査では、春花壇で74名、スプリングショーで374名の参加があり、使いたい・興味がある花きを10品種まで選定していただいた結果、3割以上の方々から評価された品種もあり、今後、このジャパンフラワーセレクションから新しいトレンドが生まれる可能性を感じました。

( 6月1日の初夏花壇の審査結果も紹介 )

上記3項目について、プロジェクターを使用して、4月10日と6月1日の花壇苗等部門の審査結果等を踏まえて、報告いたします。

【テーマ】『囲われたエデンとしてのガーデンからオープンガーデンを目指す時代に』 

涌井 史朗 氏

【プロフィール】
1945年11月22日 東京生れ 造園家
桐蔭横浜大学 特任教授 生命環境工学研究機構長
中部大学客員教授・東京農業大学 造園学科 非常勤講師
(前)2005年日本国際博覧会協会 会場演出総合プロデューサー
日本造園学会副会長、(社)国際観光施設協会副会長、
道路緑化保全協会等多数の理事・評議員等

昭和49年5月 「造園大賞」東京農業大学
平成 5年5月 「日本造園学会賞」日本造園学会
平成 5年5月 「下山奨励賞」日本造園修景協会
平成13年7月  国土交通大臣表彰
平成17年3月 「黄綬褒章」 

ハウステンボスのランドスケープデザイン
沖縄宮古島リゾートや全日空万座ビーチリゾート
パラオパシフィックホテル、ブルネイ王国王宮等のランドスケープデザイン多数


【概 要】
ランドスケープデザインとは、その土地にまつわる地勢や水文・気象そして文化を読み取り、風土を祖父母に、風景を両親にして生み出される、自然と人との関わりのデザインです。
 「景観」。これをわかりやすく説明すれば、目に見えるトータルの環境です。人に例えれば顔であり、元気な表情を示す顔色といってもよいでしょう。但し、それは、今の時代に媚びるデザインではなく、「景観10年、風景100年、風土1000年」といった悠久の自然の流れと文脈をもったデザインでなければなりません。
 ガーデンは古代ヘブライ語で囲われた楽園を意味します。庭もまた、不思議に同じ意味をその言葉に表しています。水や土の知恵を植物に表現し、人が生き物として、花やみどりと対話をしつつ、その土地の自然との関わりを確かめ、生命の価値を美しさに高めるデザイン、そんなことを心がけています。